石巻子供我流書展 2013/4/24
2011年8月、震災の傷跡がまだ深い痕跡を残す石巻を訪れ、子供達と我流の書を共にしました。
それからの子供達との交流の記録をサイトに立ち上げる事が出来ました。
子供達の活き活きとした書。子供達の書に触れた人達の心温まる感想などが掲載されています。
皆さんにも是非このサイトを見ていただきたいと思います
「石巻子供我流書展」 http://kodomo-sho.jp/
暇の痕跡 2013/2/25
この歳になると月日の早さに今更ながら驚きます。
考えてみると「時間」というのは得体の知れない不思議なものですね。
そんな中で、何かを継続させていく、その事で時間を超え、時間を実感する事も一興かと思います。
自分で書いた書も時間の内に記録され、もう二度と現れない永遠の過去の作品となります。
良いも悪いも超えた自分の残した過去のこん跡となったわけです。
書のでき具合にとらわれず、その折々の自分がある視覚的形に現れていると思い、
自分を楽しんでみたらとおもいます。自分のこん跡を一杯一杯残したいものです。
画人の筆跡 2012/7/10
先日上野でボストン美術館展を観ました。
明治初期、ボストンに渡った日本美術の至宝ともいえる数々の作品。
中でも近世絵画の巨匠達、狩野永徳、長谷川等伯、尾形光琳、伊藤若沖、曽我蕭白の絵画は
しばし時を忘れる思いで見入りました。
絵に魅入られている内にふと、彼らの、賛とか署名の墨書に眼が止まりました。
あの光琳のなんとも風情の無い筆跡。それに比べ
等伯の自雪舟五代長谷川法眼等伯筆と書かれた品格の書。
若沖の繊細、几帳面な細字。奇才、曽我蕭白の雄渾な、書家を超えた素晴らしい書。
思いもせぬ眼福を得る事ができました
ちまたに何気なく散在する墨書との出逢いも楽しいのですが、こんな楽しみ方もあるのですね。
石巻子供書展 2012/5/25
東京展、岡山展に続き 2012年5月18日から三日間石巻市の
ナリサワカルチャーギャラリーで<石巻子供書展>を開催。
八ヶ月ぶりに子供達と再会することができました。
たった八ヶ月の間に子供達は目を見張るくらい背丈が伸び
顔付きにも成長の跡がしっかり見られました。
皆自分の書いた「書」とは思えないと、裏打ちされた作品に驚き喜んでくれました。
此の期間中、牡鹿半島の全校生徒30人に満たない小さな小学校、
東浜小学校に出かけ、子供達と我流毛筆の会を開きました。
彼らの素直で好奇心に満ちた子供らしい表情に囲まれ、
都会の子供達には感じられなくなった遠い日の子供達に出会ったようで嬉しくなりました。
東松島の仮設住宅の子供達との我流毛筆の会も忘れられない思い出になりました。
集合住宅に暮らす子供達の複雑な表情が、大きな筆で大きな字を、
集中して力をこめて書く間にみるみる変化していく。その様子には驚きました。
「あー、スッーとした」とつぶやく子供の横顔を見て「良かった」と心から思え幸せでした。
石巻子供書展・岡山 2012/3/25
2012年 3月13日〜18日まで岡山県の協力で
天神山文化プラザで石巻子供書展を開催。
訪れた人々は子供達ののびのびと力に満ちた一字書に驚き
「元気をもらった」「震災に負けない子供の姿に感動した」と
ニコニコする人、涙ぐむ人で会場は大きな共感の輪に包まれました。
「子供は我流の天才だ」とつくづく思いました。
パリでの書展 2012/3/4
2012年 2月22日〜28日、パリのギャラリー アート・エ・ミスで
フランスの彫刻家 キャロリーヌ・リー、写真家 塩沢茂丸さんと僕の書のコラボレーション展
<Rencontre Franco - Japonaise>が開かれました。
一字書 9点を出品。象形文字であり、表意文字である漢字一字書を
パリの人達はどう観たか。
あいにく会期中パリに出かけることができず
直接感想を聞く機会を持てず残念でした。
ギャラリー アート・エ・ミス 会場風景 2012/2/24
あらがみさんぞうさんの詩文集 2012/2/1
我流毛筆の会の会員であった荒井章(あらがみさんぞう)さんが
詩文集「悩むひとへ キャッチボールしよう」を出版されました。
人は論理に酔うことはありませんが、あらがみさんの感性の言葉は
カリスマ的な力で人を心地良く酔わせます。
久しぶりに大変ユニークな現代詩に触れた思いがしました。
この著書の中で疋田寛吉先生について書かれており、
あらがみさんの許可を得て抜粋します。
東京銀座「石巻子供書展」開催 2012/1/11〜1/21 2012/1/25
石巻の子供達の書展を 2012/1/11から1/22まで
東京銀座タチカワブラインド銀座スペースAtte(オッテ)で開催する事ができました。
震災に負けない子供達の力強い書は、多くの方々の驚きと、
「子供達の書に力をもらった」という感想をいただきました。
東京新聞を始め、メディアにも紹介され足を運んでくださった方々も多くいらっしゃいました。
此の書展は、3月に岡山市の天神山 文化プラザ、5月に石巻市でも開催します。
石巻子供書展 2011/9/1
2011年8月28日、我流毛筆の有志三名で石巻の子供達との書の会を開きました。
会に先立って石巻の被災の現場を歩き
テレビ報道では感じることのできなかったすさまじい実態の数々を見ました。
石巻公民館に集まった30名程の子供達は
心なしか元気がないように見受けられましたが、子供達に
石巻の子供さん達へ
我流毛筆の書の会では、学校で学ぶお習字とは少しちがって、
お手本の無い自分らしい自由な書を楽しんで欲しいと思っています。
漢字は象形文字であり一字一字に意味があります。漢字一字の持つ意味や、
そのイメージを自由にふくらませて、絵をかく気分で書いて欲しいのです。
お手本には無い君らしい君にしか書けない
見た事のないような面白い書が生まれないか楽しみです。
皆でいっしょに大きな大きな字を描いてみませんか。
「漢字一字を大きな筆で大きな紙にイメージをふくらませて自由に楽しんで書く。」
「皆で合作の一字を書く」
「リレー書を書く」 等楽しい事いろいろやりましょう。
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このようなお話しをさせていただきました。
最初おそるおそる大きな筆を握り、とまどっていたましたが、
次第に子供らしい表情を取り戻しにぎやかな声で会場は活気にあふれました。
会に同行してもらった写真家藤井英男さん、映像作家玉井正誠さんが、
書に挑む子供達の映像記録を撮ってくれました。
これらの映像と子供の作品は東京で近い日に必ず皆さんにお披露目したいと思います。
光琳の墨書 2011/5/17
世の中何かと落ち着きませんが、こんな時こそ筆をにぎって集中するのも良いかもしれません。
先日根津美術館で尾形光琳の国宝かきつばた−ごめんなさい漢字忘れましたーを見ました。
山のような人の波を前に金箔に藍と緑の、その絵はリズミカルなレイアウトと様式化された素晴らしい存在感で、さすが光琳!さすが琳派と感嘆せずにはいられませんでした。
しかし墨書でしたためられた光琳とゆう文字は一見貧弱な味のない、およそ絵にそぐわない感じ
これは僕のいたらない素人の感想かもしれませんが、
天は二物をあたえずか!と独り愉快な気持ちで帰ってきました。
光琳に負けない書がんばらなければ。
我流の書 2011/4/13
我流の書は、たった一人で書きつつ”けるしかなく、自分の書が
どちらに向かっているかさえ解らない不安で孤独なところがあります。
しかし集中して、継続していれば、書いた紙の積み重ねた高さほどには、
何かしら成長していると信念をもってやるしかありません。
休まず、ただただ継続あるのみと思います。
去年の今頃書いた書と今年の書を、じっくり見比べてみてはどうでしょう。
自分が書いたとは思えない書の神様が知らぬ間に舞い降りたような物がないか?
お酒でも飲みながら一年の成果を楽しんでください。
第四回我流毛筆展 2010/12/21
一年ぶりの我流毛筆展を11月30日から12月11日まで銀座、
立川ブラインドギャラリー・オッテで開催。会員10人による1年間の成果を展示。
300人に近い方々に見ていただきました。
今回の新たな試みとして、来場の皆さんに大筆による一字書を経験していただいたり、
気にいった作品投票をお願いしたり、楽しい時間を持つことが出来ました。
我流の書に対する皆さんの反応はとても自由で柔軟なもので
我々を大いに刺激してくれるものでした。
書の楽しみ方にも新しい時代が来ているように思いました。
我流毛筆展を終えて 2010/12/14
一年ぶりの第4回<我流毛筆展>、無事終えることができました。
お疲れさまでした。
今年は作品アンケートや毛筆体験などの新しい試みを企画しましたが、
いらっしゃった皆さんが楽しんで下さったようで、とても良かったと思います。
アンケートの結果は大変興味深いものがあるように思いました。
我流の書をとても柔軟に受け止め、
何ものにもとらわれない新鮮な眼で様々な評価を下さった来場の皆さんの素晴らしさ、
そして世の中に無数にいらっしゃるに違いない、書に対する新しい感覚を持った人達。
我流を続ける元気をいただいたように思います。
大賞を受賞しました 2010/9/30
先日行われた第30回フィナール国際美術展に出品した「光」という書が大賞を受賞しました。
今年初めて特別展として書の部門が新設され応募してみました。
審査はパリからサロン・ド・メの会長を勤めた彫刻家のキャロリーヌ・リーさんが来日され、賞の選定にあたられました。
サロン・ド・メ(Salon
de
mai)は1945年に開催され、ピカソやミロが死去するまで毎年出品し続けた唯一の団体展です。
大賞の受賞により、来年五月頃にパリで、キャロリーヌ・リーさんとのコラボレーション展が出来ることになりました。
キャロリーヌさんの選評を聞いて、書の表現は欧米の人達に充分伝わると確信しました。
また僕達日本人が持つ書の概念とは異なる視点での評価に勇気づけられました。
平泉の中尊寺に出かけてきました 2010/6/25
宝物庫に藤原三代に渡る国宝の品々が展示されておりその中の何点かには写経があり、眼を奪われました。
濃紺の地に金の細字で綴られた経文は端正な楷書ですこぶる品格のあるものでした。一角一角にも極度の集中を感じさせ、剣先でひいた糸のような細く鋭い線は書き手の個性とか私情、嗜好性など皆無。真に無私の書でした。
比べるにはおこがましいですが言ってみれば我々が志す我流の書とは遠く対極の書です。
平安の人々が仏の言葉、真言として敬い尊んだ経を綴る書体としてこのような書を愛でたと思うと古人の佇まいを見たように思いました。我々の時代との乖離をこのような形でリアルに感ずる事ができた事は幸せでした。
自分の書を客観的に捉える座標軸として時代を隔てた古人の書を見つめるのも良しと思いました。
自分の目指す書が皆目見えない、暗中模索の暗夜行路の中で古人の書を見る事は自分の中に何らかの座標軸のようなものを感じる事があり、自分の書を客観的に感じる何らかのきっかけになるのではないかと実感しました。
銀座でギャラリーバーを営む加島さんからの便りを一部紹介させてもらいます 2010/5/18
楷の木の枝の曲がり様から楷書。成立は四、五世紀。字体としては最後に完成した書体とのこと。
楷書は漢字の美しさを端的に表すシンプルな書体。
夢枕獏との会話の中で獏さんが「漢字は世界一短い神話だ」と言った。
なるほどいいことを言うな。筆という不安定なものから生まれた端的な美しさを求めた形、造形が楷書というものらしい。
やはりそこには気品や格が求められ、気が立ち、スピリチャルが不可欠となる。
不安定とスピリットが気品ある楷書を生みだしたのだ。
彼はギャラリーバーの経営者でありながらなかなかの美術批評家で、書についてのこの言葉にも感じさせるものがあり、抜粋してみました。
伊豆の下田に行ってきました 2010/4/17
黒船の到来した下田は、吉田松陰、坂本龍馬とも縁が深く、
記念館で二人の書を見る事が出来ました。
不思議なもので書を見ていると、歴史上の人物としての知識はあっても
逢った事の無い二人が、生身の、とても身近な人物に思えました。
松陰の右肩上がりの筆跡は、偉人として語られる彼のイメージに反して
一途な狭量の人物を思わせました。
龍馬の書は、筆先を垂直にたてた自在の書で
剣豪であった彼が剣先の一点を中心に自在に体を変えた様子を
彷彿とさせるものでした。
囚われずに柔軟で大らかな
そして、どこか繊細なものを感じたのは、NHKドラマの影響だったでしょうか。
いずれにしろ、書が良くその人を語る面白さを楽しみました。
パリの書家 ファビエンヌの自伝 2009/8/7
「沈黙の旅人」の翻訳がいよいよ始まったとパリの友人、富樫さんからの一報。
彼のビジネスパートナーで僕も面識ある野口園子さんの翻訳との事。
あれは確か4年前、凱旋門近くのカフェで野口さんが熱っぽくファビエンヌの
「沈黙の旅人」が如何に面白いか。フランス語の読めない僕に、そのさわりを
話していくれた事を思い出してしまった。
今、フランスを中心にヨーロッパで書家というよりモダンアーティストとして
高い評価を得ている彼女の生い立ち。東洋の書に魅せられて天安門事件の前、
中国に移り住み8年間本格的な書との格闘を経てパリでその成果をものにした
ファビエンヌの物語。
書を通して、フランス人の思考や感性を知り得る稀な本だ。
今から大いに楽しみ。
我流毛筆の会 2009夏合宿 20009/8/3
昨年の金沢に次いで今年は信州美しヶ原高原で2泊3日の合宿を行いました。
あいにく御天気には恵まれませんでしたが、温泉有り、持ち寄った美酒あり。
童心に戻って花火ありで、実に楽しい合宿でした。
村民ホールをお借りして山の冷気の中、書に集中。
東京とは異なった空気感と時間の中でそれぞれがいつもと違った自分の書に
出逢えたようです。
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